就労移行支援・就労継続支援A型/B型の「施設外就労」と「施設外支援」の違い・算定要件・人員配置基準・年間180日ルールを行政書士がわかりやすく解説。令和6年度改定にも対応。初回相談無料。
施設外就労と施設外支援の違いとは|要件・人員配置を行政書士が解説
就労系障害福祉サービスを運営していると、「施設外就労」と「施設外支援」という似た言葉に戸惑う方が少なくありません。名称も制度も似ていますが、サービスを行う場所・職員配置の要否・提供日数の上限・定員の扱いなどが大きく異なります。要件を満たさないまま算定すると、運営指導(旧・実地指導)で報酬返還を求められるリスクもあります。
このページでは、両者の違いと算定要件を、令和6年度(2024年)報酬改定の内容も反映してわかりやすく解説します。

目次
施設外就労・施設外支援の対象となる事業
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型の事業所が対象です。
施設外就労とは
施設外就労とは、企業などと業務請負契約を結び、その企業内で請け負った作業を行う支援です。指定を受けた事業所とは別の場所で行われる支援について、基本報酬の算定が認められる仕組みです。
なお、かつて存在した「施設外就労加算」は令和3年度報酬改定で廃止され、基本報酬に包括化されています。現在は「加算を取る」のではなく、要件を満たした施設外就労として通常どおり基本報酬を算定する、という整理です。
施設外就労の算定要件
施設外就労を算定するには、次の要件をすべて満たす必要があります。運営規程に施設外就労の内容を明記していること。施設外就労中の緊急時対応体制が整っていること。施設外就労当日の参加利用者数に対し、常勤換算で適正な人員を配置していること。施設外就労参加者を除いた前年度平均利用者数に対して、報酬算定上必要な人員(常勤換算)を事業所側にも配置していること。事前に個別支援計画へ施設外就労を位置づけていること。施設外就労先と請負契約を締結していること(同一法人が運営する事業所との契約は不可)。そして、施設外就労報告書を毎月作成・保存すること。
【令和6年度改定】従来は毎月の報酬請求に合わせて実績報告書を市町村へ提出する義務がありましたが、この提出義務は廃止されました。ただし、記録の作成・保存義務は引き続き必要です。
提供期間(日数)の上限はありません。
施設外就労の人員配置基準
当日の施設外就労に参加する利用者数に対して、報酬算定上必要な人数(常勤換算)の職員を施設外就労先に配置します。必要数はサービス種別・基本報酬区分により異なります。
就労移行支援は、職業指導員・生活支援員が6:1以上、就労支援員が15:1以上。
就労継続支援A型は、7.5:1(サービス費Ⅰ)または10:1(同Ⅱ)。
就労継続支援B型は、6:1(サービス費Ⅰ・Ⅳ)、7.5:1(同Ⅱ・Ⅴ)、10:1(同Ⅲ・Ⅵ)です。
なお、サービス管理責任者の必要数は、施設外就労参加者も含めた前年度平均利用者数で判断する点に注意してください(それ以外の職員は参加者を除いた数で判断)。
メリットと注意点
最大のメリットは、実質的に定員を増やせることです。利用定員の範囲内であれば、定員と同数まで施設外就労で受け入れられます。
たとえば・・・・定員20名以下の場合、事業所内で最大20名/日、施設外就労で最大20名/日、合計40名/日の受け入れが可能です。
利用者の就業機会が広がり、一般就労への移行が進めば「就労移行支援体制加算」などの算定にもつながります。
ただし、施設外就労の参加人数が利用定員を超えると、その日の施設外就労参加者全員分が算定できなくなる点に注意が必要です。
施設外支援とは
施設外支援とは、企業での実習や就職活動、在宅訓練など、利用者の事業所外での活動を支援するものです。施設外就労と異なり、原則として職員の同行は必須ではありません。
施設外支援の算定要件
運営規程に施設外支援の内容を明記していること。施設外支援中の緊急時対応体制が整っていること。事前に個別支援計画へ施設外支援を位置づけ、1か月ごとに個別支援計画の見直しを行っていること。本人または実習受入先からの聞き取りにより日報を作成していること。当該支援により、就労能力や工賃(賃金)の向上、一般就労への移行が認められること。
【令和6年度改定】個別支援計画の見直し頻度が、従来の「1週間ごと」から「1か月ごと」に緩和されました。
なお、就労移行支援で移行準備支援体制加算(Ⅰ)を算定する場合は、職員の配置(同行)が必要です。
年間180日ルールと例外
施設外支援で報酬を算定できるのは、利用者1人につき年間180日以内(4月1日~3月31日でカウント)です。ただし、要件を満たす職場適応訓練を受講する場合や、「障害者短時間トライアルコース」で就職し個別支援計画の見直しで延長の必要性が認められた場合などは、180日を超えても算定できる例外があります。
施設外就労と施設外支援の違い(比較表)
| 項目 | 施設外就労 | 施設外支援 |
|---|---|---|
| 場所 | 業務請負先の企業内 | 事業所外(実習先・在宅など) |
| 職員配置 | 必要(当日参加者数に応じて) | 原則不要(移行準備支援体制加算Ⅰ算定時は必要) |
| 提供日数の上限 | なし | 原則 年間180日以内 |
| 定員の扱い | 定員とは別に、定員と同数まで可能 | 定員内 |
| 請負契約 | 必要 | 不要 |
| 関連加算 | なし(基本報酬に包括) | 移行準備支援体制加算(就労移行支援) |
令和6年度改定・令和7年Q&Aのポイント
令和6年度(2024年)報酬改定では、施設外就労の実績報告書の提出義務が廃止(記録の作成・保存は継続)され、施設外支援の個別支援計画の見直し頻度が1週間ごとから1か月ごとに緩和されました。
さらに令和7年(2025年)3月31日のQ&Aでは、指定を受けていない別の場所に「施設外就労先」と称する作業所を設け、そこで利用者に作業させる運用は施設外就労に該当しないことが明確化されました。施設外就労は、実態のある請負先企業内で行われるべきものとされていますので、運用の見直しが必要なケースはご注意ください。
よくあるご質問
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同一法人が運営するA型事業所を施設外就労先にできますか。
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できません。施設外就労先との請負契約は、同一法人が運営する就労継続支援事業所との間では認められません。
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施設外支援は定員外で提供できますか。
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できません。施設外就労と異なり、施設外支援は事業所の定員内で実施します。
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施設外支援には職員の同行が必要ですか。
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原則として必須ではありません。ただし就労移行支援で移行準備支援体制加算(Ⅰ)を算定する場合は配置(同行)が必要です。
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施設外就労の報告書はもう作らなくてよいのですか。
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市町村への毎月の提出義務は令和6年度改定で廃止されましたが、記録の作成・保存は引き続き必要です。運営指導で確認される可能性があります。
参考情報
- 厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(施設外就労・実績報告の見直し):https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001155213.pdf
- 令和6年度報酬改定Q&A VOL.8(施設外就労先の要件):https://www.mhlw.go.jp/content/001471548.pdf
施設外就労・施設外支援でお困りの事業者様へ
施設外就労・施設外支援は、定員を実質的に増やせる、一般就労への移行を後押しできるなど活用メリットが大きい一方で、人員配置・請負契約・記録など要件が複雑です。要件を満たさないまま算定すると報酬返還のリスクもあります。
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