虐待防止委員会について

令和4年4月から虐待防止委員会の設置が義務化されました。

令和6年報酬改定より、以下の基準を満たしていないと所定単位数の1%が減算となりますのでご注意ください。

① 虐待防止委員会を定期的(年1回以上)に開催し、その結果について従業者に周知。
② 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的(年1回以上)に実施。
③ 上記措置を適切に実施するための虐待防止担当者を配置。

何が虐待にあたるのか?

障がい者の虐待の定義について下記の「虐待防止法」があり、該当する具体的な内容が示されたています。

(定義)第二条

 この法律において「障害者虐待」とは、養護者による障害者虐待、障害者福祉施設従事者等による障害者虐待及び使用者による障害者虐待をいう。

 この法律において「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」とは、障害者福祉施設従事者等が、当該障害者福祉施設に入所し、その他当該障害者福祉施設を利用する障害者又は当該障害福祉サービス事業等に係るサービスの提供を受ける障害者について行う次のいずれかに該当する行為をいう。

 障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由なく障害者の身体を拘束すること。

 障害者にわいせつな行為をすること又は障害者をしてわいせつな行為をさせること。

 障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応又は不当な差別的言動その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

四 障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、当該障害者福祉施設に入所し、その他当該障害者福祉施設を利用する他の障害者又は当該障害福祉サービス事業等に係るサービスの提供を受ける他の障害者による前三号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の障害者養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。

五 障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること。

引用:障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律

また、児童についても「児童虐待防止法」があり、該当する具体的な内容が示されたています。

第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

引用:児童虐待の防止等に関する法律

最近では、親権者による虐待が「しつけ」を口実に正当化される原因となっている「懲戒権(民法822条)」についても議論され、懲戒権の削除と体罰の禁止を明確化していく民法改正案が閣議決定されました。

取り組みとポイント

  • 虐待防止委員会の設置

①委員会の責任者を決定

事業統括責任者、事業責任者、管理者など、小規模であれば社員等が責任者として想定されます。※管理者や虐待防止責任者は参加必須。

年に1回以上委員会を開催。テレビ会議等での開催も可能。また、身体拘束等の適正化委員会との一体的に開催も可能。法人単位での開催でも可能。 参加人数は問われないものの委員会の内容は従業員には周知が必要です。

③虐待防止のための計画づくり(虐待防止マニュアルや指針の作成、研修計画、労働条件や環境の確認と改善、実施計画の作成等)※通報義務があるため、通報先は通報者の保護についても周知が必要です。

④虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)

⑤虐待発生後の再発防止のための検討、仕組みづくり(発生の経緯、状況等記録できる報告書作成、委員会へ報告、事案の検証の上再発防止)

⑥委員会開催時は議事録を作成

 

  • 虐待防止員会運用指針の策定

委員会の目的、責務、実施方法、開催頻度等を制定して従業員へ周知をする。

  • 運営規程策定

運営規程に虐待防止について定め従業員へ周知をする必要があります。※指定時に既に記載されていることが多いです。

  • 研修の実施

・研修計画を定め、虐待防止研修を年に1回以上開催(地域で開催しているものに参加でも問題ありません)

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身体的拘束適正化検討委員会について

令和4年4月より身体的拘束等適正化検討委員会の設置が義務化されました。

令和6年の報酬改定より、減算が見直され運営基準を満たしていない場合は、1%~10%の減算となりますのでご注意ください。

身体拘束とは?

障害者の意思にかかわらず、その人の身体的・物理的な自由を奪い、ある行動を抑制または停止させる状況であり、障害者の能力や権利を奪うことにつながりかねない行為

身体拘束の具体的な内容としては、以下のような行為が該当すると考えられます。

① 車いすやベッド等に縛り付ける。

② 手指の機能を制限するために、ミトン型の手袋を付ける。

③ 行動を制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。

④ 支援者が自分の体で利用者を押さえ付けて行動を制限する。

⑤ 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。

⑥ 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

引用:障害者福祉施設等における障害者虐待防止手引き

取り組みとポイント

  • 身体的拘束等適正化検討委員会の設置

年に1回以上委員会を開催。テレビ会議等を使用して第三者が参加しやすく工夫する。※第三者は、医師等の専門家のみならず、自立支援協議会を構成する他事業所等も当たると考えられる。

虐待防止委員会との一体的に開催も可能。法人単位での開催でも可能。 参加人数は問われないものの委員会の内容は従業員には周知が必要

②委員会開催時は議事録を作成

  • 指針の策定

①運営規程に身体拘束適正化検討委員会について定め、従業員へ周知が必要です。※指定権者によっては虐待防止のみでも問題ないとの見解があります。

②身体拘束等の適正化のための指針を策定。(事業所内の組織体制、研修、報告方法、対応方法等)

③やむを得ず身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録が必要です。

  • 研修の実施

・研修計画を定め、身体拘束適正化研修を年に1回以上開催が必要です。研修を行ったら記録として残すことが重要です。例えば・・・研修風景の写真や、受講者へのアンケートを実施するなど。

※事業所内で行う職員研修で差し支えない(他の研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合、例えば、虐待防止に関する研修において身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えなとされている)

やむを得ず身体拘束を行うときの留意点

  • 緊急やむを得ない場合を除き身体の拘束を行ってはならない。※以下のすべての要件を満たすこと。

①切迫性

⇒本人または他の利用者等に生命、身体、権利が危険にさらされる可能性が著しく高い。

②非代替性

⇒身体拘束その他の行動制限を行う以外に方法がない。

③一時性

⇒身体拘束その他の行動制限が一時的である。

  • やむを得ず身体拘束を行うときの手続き

①事業所による決定と個別支援計画

⇒個別支援会議等で慎重に検討・決定し身体拘束を行うやむを得ない理由を個別支援計画に記載。※会議等の内容は議事録作成が望ましい。

②本人・家族への説明

⇒本人や家族へ十分な説明を行い了承を得る。

③必要事項の記録

⇒その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録が必要。

※参考 

【東京都】4福保障施第653号 施設・事業所における虐待防止体制の整備の徹底について(通知)

【厚生労働省】障害者虐待防止及び身体拘束等の適正化に向けた体制整備等の取組事例集

【厚生労働省】障害者福祉施設等における障害者虐待の防止と対応の手引き 

京都市監査指導課チャンネル 【障害】③障害者虐待防止・身体拘束等について 他

パワーハラスメント防止措置

雇用管理上、パワーハラスメント等の防止のための措置を講ずることが令和4年4月より義務化されております。

パワーハラスメントとは?

・優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること

・業務の適正な範囲を超えて行われること

・身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること

①身体的な攻撃②精神的な攻撃③人間関係からの切り離し④過大な要求⑤過小な要求⑥個の侵害

引用:パワーハラスメントの定義について  厚生労働省平成30年10月17日 雇用環境・均等局

詳細は下記リンクよりご確認ください。

取り組みとポイント

  • ハラスメント防止指針の策定

ハラスメント防止指針の策定や周知、啓発をすることが必要です。指針を策定した内容を実施する必要があります。

カスタマー(顧客)ハラスメントに関する防止のための体制づくり。被害防止のための独自のマニュアル作成や研修を実施するのもいいかもしれません。

  • 相談窓口設定と周知

ハラスメントにあってしまった場合の窓口や担当者を明確にし、従業員に周知すること。

また、相談に応じ適切に対応するための体制を整備する必要があります。※プライバシー保護、不利益取扱いの禁止等の措置についてけも検討が必要です。

※参考 

【厚生労働省】「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室) 他

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