障がい福祉サービス開業の物件
就労継続支援(A型・B型)事業やグループホーム(GH)などの障害福祉事業所で使用する物件は一定の基準が必要となります。
その基準についていくつかポイントをまとめてみました。
まず、各障がい福祉事業によって設備基準があるので、どのくらいの広さが必要か。どうのような設備や部屋が必要か。
など事前に掌握しておく必要があります。
条件に合う物件が見つかったら、仮契約の段階で図面をもとに部屋割りや配置を考え、行政(障害福祉課等)へ事前に相談することオススメします。※行政によっては、事業計画を求められることがありますのである程度作成しておいてもいいかと思います。(人数、利用者の特性、サービス内容などが明確になるため)
物件の本契約をする前に気を付けるポイント
条件にあう物件が見つかった際に気をつけるポイントとして
【市街化調整区域】
市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域のことです。※Web上で調べることもできますが、物件のある地域の行政機関へ確認したほうが無難です。
この地域で障がい福祉事業を行うためには、事前の開発許可を取得する必要がありますので、行政(都市計画法の担当部門)へ事前に確認を行ってください。
【物件の面積】
すべての建物には「用途」というものがあり、例えば住居を福祉施設に変更する場合は、主要用途が変わりますので建築基準法施行規則に基づき「用途変更」が必要となります。
◆用途変更が不要な場合
使用面積(延べ面積)が200㎡未満の建物であれば、この用途変更が不要になります。当然、建築基準法上適合している必要はありますが、変更手続きなどの手間がかからなくなります。
※一部の自治体では200㎡未満でも建築基準法に適合しているか、建築士による報告書を求められる場合があります。
◆用途変更が必要になる場合
200㎡以上の場合は「用途変更」が必要となり、時間と費用がかかります。
用途変更をするためには、まず「検査済証」が必要です。これは物件が建築基準法に則り建築されたとの証明書になります。不動産屋へ確認しましょう。そのうえで、役所へ確認申請をして「確認済証」を発行してもらう必要があります。ご自身での確認申請が不安であれば建築士に相談するのもいいかと思います。
【その他】
その他、建物の規模にもよりますが消防法令上の設備として、避難誘導灯、消火器、火災検知器、スプリンクラーなど設備が必要となります。
物件の契約
①障がい福祉事業の設備基準 ②市街化調整区域 ③物件の面積 ④消防法上の設備 ⑤自治体の手引きや独自のルール
上記の注意点を踏まえて、賃貸借契約もしくは売買契約を交わしますが、可能であれば事前協議を終えてからにしたほうがいいと思います。また、契約書には「障がい福祉サービス」など使用用途を明確にしておく必要があります。
契約が完了しましたら、指定申請に向け内装工事等や書類作成・収集にをしていきます。
ここからがある意味スタート地点となります(^^;
お困りでしたら、専門家へご相談ください。