専門的支援体制加算とは?

令和6年報酬改定より、専門的支援加算及び特別支援加算が統合され「専門的支援体制加算」となりました。

専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別・集中的な支援の計画的を実施した場合に算定されます。

要件(資格)

対象となる資格が少し異なりますが「児童発達支援」「放課後等デイサービス」に該当する加算です。

【児童発達支援・放課後等デイサービス

人員配置基準に加えて理学療法士等(保育士は5年以上児童福祉事業に従事した者)の専門職の職員または、児童指導員(5年以上児童福祉事業に従事した者)を常勤換算で1名(1.0)以上配置した場合に算定できる加算です。令和6年度の報酬改定で放課後等デイサービスにも保育士、児童指導員が算定できるようになりました。

【単位】
専門的支援体制加算 区分に応じて 49~123単位/日

専門的支援実施加算とは?

理学療法士等により、個別・集中的な専門的支援を計画的に行った場合に算定できます。(専門的支援体制加算との併算定可能。利用日数等に応じて最大月6回を限度で算定可能。)※放課後等デイサービスについては、利用日数等に応じて月2回から最大月6回を限度。

理学療法士等によるアセスメントを踏まえ、支援の必要性を判断実施する必要です。

そのうえで、専門的支援実施計画を作成かつ保護者への周知を行う必要があります。

【単位】

専門的支援実施加算 150単位/回(原則月4回を限度)

理学療法士等とは?

理学療法士等とは具体的にどのような資格になるのか、令和6年3月15日付の告示に記載されておりました。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士(保育士として5年以上児童福祉事業に従事したもの)、児童指導員(児童指導員として5年以上児童福祉事業に従事したもの)または、別にこども家庭庁が定める基準に適合する専門職員となります。

参考:3/15官報(号外第58号) 

留意点

「児童福祉事業に従事した経験年数」について、

「児童指導員等加配加算」と「専門的支援体制加算」とでは「児童福祉事業」の少し考え方が異なりますので注意が必要です。

「児童指導員等加配加算」

・児童福祉法に規定された各種事業(児童福祉施設として、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、 児童自立支援施設、児童相談所、子育て援助活動支援事業、児童発達支援、放課後等デイサービス など)

・幼稚園(特別支援学校に限らない)

・特別支援学校

・特別支援学級又は通級での指導における教育の経験

「専門的支援体制加算」

特別支援学級及び通級による指導における教育の経験は含まれません。

Q&A

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A(令和6年3月 29 日)より抜粋しています。※4/9更新

【専門的支援体制加算】専門職員の配置について、常勤により配置する場合に、当該職員が病気で欠勤する場合や有休休暇を取得する場合であっても、配置の要件を満たすという理解でよいか。

お見込みのとおり。なお、欠勤等が1月以上続く場合には、配置要件を満たさなくなるものとする。

【専門的支援体制加算】で保育士及び児童指導員に求められている経験年数における「児童福祉事業」は、児童指導員等加配加算における「児童福祉事業」と同じで良いか。教育の経験は含まれるか。

「児童福祉事業」に従事した経験年数については、特別支援学校、特別支援学級及び通級による指導における教育の経験は含まれない。

なお、幼稚園(特別支援学校に限らない)は含まれる。

【専門的支援実施加算】専門的支援実施計画について、具体的にどのような項目を記載することが求められるのか。

個別支援計画を踏まえ、支援を提供する専門職が専門的支援実施計画を障害児ごとに作成することが必要。計画には、以下の項目を記載することを想定。


・当該専門職によるアセスメントの結果
・5領域との関係の中で、特に支援を要する領域
・専門的な支援を行うことで、目指すべき達成目標
・目標を達成するために行う具体的な支援の内容
・支援の実施方法 等


上記の項目に限らず、ニーズに応じた専門的支援に必要であると考えられる項目について記載するとともに、計画的に質の高い専門的支援を提供する上で有効な計画とすることが求められる

(例えば、障害特性を踏まえた配慮事項について記載する、個別支援計画の支援との関連性を記載する、支援の改善が図れるような構造とするなど)。

【専門的支援実施加算】個別支援計画と一体的に作成することは可能か。

専門的支援実施計画は、個別支援計画とは別に作成し、あらかじめ給付決定保護者の同意を得ることが必要。

【専門的支援実施加算】専門的支援は、1対1の個別支援により実施することが必要か。

専門的支援については、個別での実施を基本としつつ、個々のニーズを踏まえた支援を確保した上で、小集団(5名程度まで)による実施や、理学療法士等の専門職とは別の職員を配置した上で、小集団の組み合わせ(2の小集団まで)による実施も可能

【専門的支援実施加算】理学療法士等が対象児の支援時間を通じて直接支援を行うことが必要か。

専門的支援の提供時間は、同日における当該障害児に対する支援時間の全てとする必要はないが、少なくとも30分以上を確保すること

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