児童発達支援・放課後等デイサービス個別支援計画
令和6年からの個別支援計画の書式が公開
令和6年3月15日付の事務連絡にて、児童発達支援及び放課後等デイサービスの個別支援計画の様式例等が公開されました。
かなり、シンプルになりましたが、少々ざっくりとし印象もあるのは気のせいでしょうか。。。
通達からひも解く
厚生労働省の通達の内容を引用しながら、項目ごとに確認してみたいと思います。
基本報酬における時間区分の創設について
下記のような時間区分となっていますが、1時間30分ちょうどの場合は、時間区分2ではなく時間区分1になることに注意しましょう。
「以下」や「超」といった表記に気を付けて算定する必要があります。実地指導の時に指摘される可能性があります。
個別支援計画に支援に要する時間を定め、その計画の時間に応じて基本報酬を算定することが基本となります。
では、計画よりも支援時間(実利用時間)が短くなってしまった場合はどうなるのか?
気になるところですが、「利用者の都合」なのか「事業者の都合」なのかで算定が異なります。
利用者都合:計画時間で算定
事業者都合:支援時間(実利用時間)で算定
となります。
実利用時間については、サービス提供実績記録票にて記録が必要となり、計画時間と実利用時間の乖離が継続してる場合は、速やかに個別支援計画を見直しを行う必要があります。
以下、参考:放課後等デイサービスのサービス提供実績記録票 記入例
※原則30分未満の支援は除外されていますが、例外として周囲の環境になれるために支援時間を短縮した等の理由があれば、市町村の判断で算定も可能です。
延長支援加算の見直しについて
基本報酬における時間区分の創設とあわせて、延長支援加算を見直し、5時間(放課後等デイサービスについては、平日は3時間)を超える長時間の支援について、預かりニーズに対応した延長支援として加算されます。(重症心身障害児を通わせる事業所において重症心身障害児に対し指定児童発達支援又は放課後等デイサービスを行う場合等は従前の延長支援加算と同様の取扱い)
【改定後の延長支援加算の取扱い】
・ 基本報酬において、上限となる5時間(放課後等デイサービスについては、平日は3時間)の発達支援を行うのに加え、当該支援の前後に預かりニーズに対応した延長支援を計画的に行った場合に、計画した時間に応じて算定できるものとするが、計画時間よりも、実際に延長支援に要した時間が短くなった場合においては、基本報酬とは異なり、その理由の如何に関わらず、実利用時間により算定する。
・ 延長支援の算定に当たっては、1時間以上の延長支援を行うことを前提とした体制を設ける等、計画的な実施が求められる。
・ 計画時間の前後に延長支援加算を算定する場合には、前後いずれも1時間以上となるよう計画的に実施する必要があり、前後の時間を合算して1時間以上では算定できないものであること。(30分+30分で1時間はNGということになります。)
・ 延長支援時間帯の職員配置については、安全確保の観点から、2人以上(うち1人以上は運営基準に定める人員を配置すること。児童発達支援管理責任者でも可。)の配置。
・ 延長 30 分以上1時間未満の単位は、利用者の都合により延長支援時間が計画よりも短くなった場合に限り算定できる。
・ 延長支援時間については、個別支援計画に定めることを基本とするが、延長支援を利用する中で、具体的な利用の計画にない、緊急的に生じた預かりニーズに対応するための延長支援については、急遽延長支援を必要とした理由等について記録を残すことにより算定できるものとする。ただし、急遽延長支援を行うような状況が続く場合については、速やかに個別支援計画の見直し・変更を求めるものとする。
総合的な支援の推進とインクルージョンの推進
運営基準において、児童発達支援ガイドライン等に基づく5領域の視点を全て含めた総合的な支援を提供することを基本としたところであり、支援内容について、個別支援計画等においても5領域とのつながりを明確化した上で支援の提供が必要となる。
また、運営基準において、事業所に対し、保育所等との併行通園や保育所等への移行等、インクルージョン推進の取組を求めることとしたところであり、個別支援計画において、具体的な取組等について記載し実施する。
令和6年4月以降の個別支援計画について
新たな記載事項と参考様式について
令和6年4月以降は、上記の改定事項を踏まえ、個別支援計画に、新たに以下の事項を記載することが求められる。
・時間区分の導入に伴う、個々の障害児の日々の支援に係る計画時間等
・延長支援加算の見直しに伴う、個々の障害児の日々の延長支援時間等
・個々の障害児の5領域との関連性を明確にした支援内容及びインクルージョンの観点を踏まえた取組等
令和6年4月以降の個別支援計画については、これらを盛り込んだ「個別支援計画参考様式」を活用し、作成・見直しが必要。
なお、記載にあたっての留意点及び記載例や、改定版の児童発達支援及び放課後等デイサービスガイドラインなどは別途示されるとのことです。
⇩(別紙1)個別支援計画書
⇑よく見ると押印が廃止となってますが、保護者の署名(自筆)は必要ですので注意が必要です。
令和6年4月から 10 月までの取扱いについて(経過措置)
個別支援計画の見直し等については、通常の見直し期間(6ヶ月に1回以上)を踏まえると、一定の期間を要すると考えられることから、令和6年 10 月 31 日までの間は、別紙「個別支援計画参考様式」の2枚目の「個別支援計画別表」を活用し、個々の障害児の計画時間及び延長支援に要する時間等を定め、現行の個別支援計画とあわせることにより対応すること(支援内容の5領域との関連性の明確化及びインクルージョンの観点からの記載は個別支援計画の見直しのタイミングで行うこととし、基本報酬と延長支援加算の算定に必要な計画時間・延長支援時間等の記載のみを別表で追加すること)を可能とする(下記、別紙2参照)。計画時間については、あらかじめ保護者に説明の上、同意を得ること。また、延長支援については、あらかじめ保護者に説明の上必要性について確認するとともに、延長支援時間について同意を得ること。
【経過措置の対象について】※令和6年5月以降から利用する児童とで運用が異なるので注意です。
この経過措置の対象となる障害児は、令和6年4月 30 日までに当該事業所の利用を開始している児童。
令和6年5月以降に新規で利用する児童については、「新たな記載事項と参考様式について」の全ての記載事項を踏まえた個別支援計画の作成が必要。
なお、経過措置により対応を行う事業所において、当該経過措置の期限は 10 月 31 日までとしているが、当該期限までに見直しのタイミングが訪れる個別支援計画については、順次、「新たな記載事項と参考様式について」の全ての記載事項を踏まえた個別支援計画に見直していく。また、経過措置により対応を行う場合であっても、支援内容について総合的な支援を基本とすること及びインクルージョンの観点も踏まえる。
⇩(別紙2)個別支援計画別表
その他
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に伴い、事業所の各種書類の変更や利用者への説明等については一定の時間がかかるため、令和6年4月1日までに全て書類の変更や利用者への説明等が済んでいる必要はないが、その場合であっても、令和6年4月以降、順次、速やかに手続を進めていただくようお願いする。
出典:令 和 6 年 3 月 1 5 日事務連絡 こども家庭庁支援局障害児支援課
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う児童発達支援及び放課後等デイサービスにおける個別支援計画の取扱いの変更について
⇩秋田県HP「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」より